親父

あんたが言いたい事はよくわかってるつもりだ。
あんたの気持ちはよくわかってるつもりだ。
あんたは俺を心配してくれてるんだろう。

だけど、俺だって自分のこと心配してる。
このままじゃいけないってわかってる。焦ってる。

「いつも同じ奴とメールしてんのか？」

…同じ「奴」…？
同じ「奴」だぁ…？
俺の恋人にそんな事言うんじゃねぇよ。
俺はこの人がいなかったらとっくに落ち零れてたよ。
俺は自分の為の努力はしない人間だからな。
この人を護るという気持ちが俺の唯一の支えなんだよ。

「あんまり度が過ぎるようなら携帯も解約するからな！」

…してみろよ。
したきゃすればいいだろ。
その時俺はあんたか自分を刺してるだろうよ。
多分、自分だろうがな。
人を刺すような度胸は持ってないからな。
自分を死なない程度に刺すんだろう。
死ぬ勇気なんて持ってないし、持ちたくもない。

くそぉ…
人を興奮させやがって…また咳が出始めたじゃねぇか…

零史。
良い名前つけてくれたよ、あんたは。
「零」
落ち零れるって意味があるらしいじゃないか。
その通りになったよ。
あんたがどういう意味を込めてこの名前をつけたかは知らないがね。

まぁ、俺もまだまだ子供だし。
あんたに養ってもらってる身だしな。
これからも嫌というほど付き合っていかなきゃいけないしな。
あんたに従ってやるよ。
年上は尊重しなくちゃな。
それに…
たった一人の父親なんだからな。

長生きしろよ…
父さん。


夕方更新分

はぁ…
何故こんな事に腹を立ててたのやら…
ちょっと自分に呆れてしまいました。

さ、勉強しよ。